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演習に関する学術用語の解説
(全体編)
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竹原ステーションで実施される演習に関する学術用語の解説(他大学・広大の学部生向け)を 「全体編」 「共生編」 「プランクトン編」 「海洋環境編」 「無脊椎動物編」 「有用水産動物編」 「藻類編」 「魚類編」 に纏めました。予習、復習に活用ください。
詳細は、各用語をクリックしてください。表中の図は、クリックで拡大されます。

共生
共生 寄生 宿主 偏(片)利共生 相利共生 捕食寄生 掃除共生
巣穴共生 便乗 宿主特異性 ベクター 二次感染 ウオジラミ類
カリムス 生活史 中間宿主 延長宿主 終宿主 内部寄生 外部寄生 吸虫類
単生類 条虫類 幼生生殖 ヒル類 線虫類 宿主転換 共進化 r-K戦略
淡水浴 超寄生 ヘテロクロニー プロジェネシス
○引用文献
・共生の意味論 藤田紘一郎(1997) 講談社ブルーバックス
・実用日本語表現辞典 http://www.weblio.jp/category/dictionary/jtnhj(2017年5月閲覧)
・生化学辞典 大島泰郎(2007) 東京化学同人
・日本動物大百科 第7巻無脊椎動物 日高敏隆(監修)(1997)平凡社
・基礎水産動物学 岩井保(1990) 恒星社厚生閣
・三省堂 大辞林 http://www.weblio.jp/cat/dictionary/ssdjj(2017年6月閲覧)
・進化論の見方 河田雅圭(1989)紀伊国屋書店
・自然共生研究センターHP http://www.pwri.go.jp/team/kyousei/jpn/index.htm(2017年6月閲覧)
・植物と人類の共進化に関する話 Michael Pollan(2002) Random House Trade Paperbacks
・サンクチュアリNEWS(https://nqj17437.wordpress.com/2015/11/20/r-k-%e6%88%a6%e7%95%a5/)2017年5月閲覧
・生物学用語辞典(http://www.weblio.jp/category/academic/sbtgy#YA_YO)2017年6月閲覧
・寄生虫に寄生する生物の話 マーク フリーマン(http://mark-freeman.com/wp-content/uploads/192%e5%8f%b7%e3%82%88%e3%81%bf%e3%82%82%e3%81%ae.pdf)2017年6月閲覧
プランクトン
プランクトン ベントス ネクトン 動物プランクトン 植物プランクトン
ゼラチン質動物プランクトン マイクロプランクトン 一時性プラクトン
終生プランクトン ニューストン 近底層性プランクトン
カイアシ類 枝角類 有鐘繊毛虫 尾虫類 ハウス アミ類
オキアミ類 ヤムシ類 ウミタル類 鉢クラゲ 根口クラゲ
ヒドロクラゲ 立方クラゲ ポリプ エフィラ ストロビラ
ノープリウス幼生 コペポディッド幼体 ベリジャー幼生 トロコフォア幼生
ネクトキータ幼生 ミュラー幼生 アクチノトロカ幼生 キフォナウテス幼生
エキノプルテウス幼生 ドリオラリア幼生 オフィオプルテウス幼生 オタマジャクシ型幼生
ゾエア幼生 メガロパ幼生 キプリス幼生 レプトケファルス幼生
放散虫類 フェオダリア類 有孔虫類 休眠卵
隔口類繊毛虫 珪藻類 渦鞭毛藻類
○引用文献
・日本動物大百科 第7巻無脊椎動物 日高敏隆(監修)(1997)平凡社
・三省堂 大辞林 http://www.weblio.jp/cat/dictionary/ssdjj(2017年6月閲覧)
・海洋プランクトン 有賀祐勝ほか著(1974) 東京大学出版会
・大阪南港野鳥園HP (http://www.osaka-nankou-bird-sanctuary.com/)2017年5月閲覧
・日本海洋生物研究所HP (http://www.mbrij.co.jp/business/plankton.html)2017年5月閲覧
・プロジェグランメーユHP (http://teams.aori.u-tokyo.ac.jp/whats-happening/interviews/009/)2017年5月閲覧
・海洋の生態学 時岡隆(1972) 築地書館
・節足動物の多様性と系統-石川 良輔(2008) 裳華房
・Leptodora kindtii (Focke, 1844)-www.nina.no
・神戸市教育委員会HP (http://www2.kobe-c.ed.jp/shizen/plankton/plankton/11080.html)2017年5月閲覧
・尾虫類の生態学的研究 (佐藤, 2000)
・Six New Genera in the Chaetognath Family Sagittidae(Bieri, 1991)-Gulf Research Reports 8 (3): 221-225.
・図説無脊椎動物学 本川達雄(2009) 朝倉書店
・貝-その魅力と不思議-大阪市立博物館HP http://www.mus-nh.city.osaka.jp/tokuten/2004kai/virtual/(2017年5月閲覧)
・無脊椎動物の多様性と系統-馬渡峻輔(2000) 裳華房
・動物系統分類の基礎-内田享(1996) 北隆館
・微化石 谷村好洋(2012)国立科学博物館叢書
・九州沿岸におけるフェオダリア類・放散虫類の生態・系統関係調査 (仲村,2015) クルーズレポート
・東京大学大気海洋研究所HP http://teams.aori.u-tokyo.ac.jp/whats-happening/newsletter/illustratedbook/?action=common_download_main&upload_id=2543(2017年5月閲覧)
・藻類の多様性と系統-馬渡峻輔(1999) 裳華房
海洋環境
赤潮 青潮 シスト フロント(潮目) 貧酸素水塊 貝毒
一次生産 日周鉛直移動 糞粒 懸濁物摂食 濾過摂食 表層
中層 深層 バラスト水 エルニーニョ 透明度 有義波高
塩水楔(くさび) 大潮 海陸風 地衡流 有光層 純基礎生産量
CTD 海里 日潮不等 補償深度 臨界深度 静振 独立栄養生物
高潮線 低潮線 潮間帯 潮下帯 タイドプール
無脊椎動物
海綿動物門 刺胞動物門 有櫛動物 扁形動物門
紐形動物門 軟体動物門 環形動物門 節足動物門
触手動物門 棘皮動物門 脊索動物門 脱皮動物 冠輪動物
鋏角類 甲殻類 軟甲類 口脚類 根鰓類 抱卵類 鰓脚類 汚損動物
侵略的外来種
○引用文献
・日本動物大百科 第7巻無脊椎動物 日高敏隆(監修)(1997)平凡社
・基礎水産動物学 岩井保(1990) 恒星社厚生閣
・環境省HP(自然環境局)http://www.env.go.jp/nature/index.html(2017年5月閲覧)
有用水産動物
アコヤガイ キチン・キトサン バイオミミクリー 採苗 三倍体
極体 付着生物 マボヤ 生理活性物質 八方サンゴ類
○引用文献
・日本動物大百科 第7巻無脊椎動物 日高敏隆(監修)(1997)平凡社
・三省堂 大辞林 http://www.weblio.jp/cat/dictionary/ssdjj(2017年6月閲覧)
・食の医学館 本多京子(2002) 小学館
・日本かきセンターHP http://www.oyster-center.com/oyster/(2017年5月閲覧)
・デジタル大辞泉 小学館 http://www.daijisen.jp/(2017年5月閲覧)
藻類
藻類 海藻 海草 クロロフィル カロテノイド
フィコビリン 緑藻類 褐藻類 紅藻類 ラン藻類 世代交代 寒天
藻場 アマモ場 ガラモ場
○引用文献
・藻類の多様性と系統 千原光男(編集) 裳華房 1999年
・藻類30億年の自然史 第2版 井上勲 東海大学出版会 2007年
・藻類ハンドブック 渡邉信ら編著 NTS 2012年
・水産海洋ハンドブック 第3版 竹内俊郎ら(編集)生物研究社 2016年
魚類
海砂 海底湧水 河口 魚類群集 光合成 コドラート 里海
食物網・食物連鎖 成育場 生態系サービス 発育段階 稚魚
底生魚類 微細藻類 捕食 メバル属魚類 養殖 耳石 成長曲線
ノギス 肥満度 肝臓重量指数 麻酔薬 マーキング
魚類の野外観察調査 シュノーケリング
○引用文献
・環境省HP(政策分野・行政活動:里海ネット)https://www.env.go.jp/water/heisa/satoumi/01.html(20117年6月閲覧)
・自然の恵みの価値を計るhttps://www.biodic.go.jp/biodiversity/activity/policy/valuation/service.html(2017年5月閲覧)
・生物学辞典 巌佐庸/倉谷滋/斎藤成也/塚谷 裕一(編集)(2013)岩波書店

共生



共生 symbiosis
2種の生物種同士が一緒に生活するという生活様式。広義には捕食ー被食の関係も含まれる。
[様々な共生]

アラムシロ(巻貝)に共生するマキガイイソギンチャク(便乗)


オコゼ類の稚魚に共生するヒドロ虫(便乗)




ヒラメに寄生するメダマイカリムシ(カイアシ類)(寄生)
寄生 parasitism
共生の一種であり、一方の生物がもう一方の生物から栄養などを一方的に受け取って生活すること。
宿主 host
共生の一種であり、一方の生物がもう一方の生物から栄養などを一方的に受け取って生活すること。
偏(片)利共生 commensalism
共生の一種であり、一方の生物がもう一方の生物から栄養などを一方的に受け取って生活すること。
相利共生 mutualism
共生のうち、2種の生物が互いに利益を享受しながら生活すること。
捕食寄生 parasitoidism
宿主を捕食しながら寄生すること。常に宿主を殺してしまう。
掃除共生 cleaning symbiosis
他種の動物の体についた寄生虫や古い皮膚などを掃除する生物と掃除される生物の共生関係。
巣穴共生 burrow utilization
ある生物の巣穴に他の生物などが共生すること。
便乗 phoresy
共生者が宿主と栄養関係がなく、移動手段、生活場所として利用する生活様式。
宿主特異性 host specificity
共生生物が特定の生物のみを宿主とする性質。
ベクター vector
ある共生生物が他生物を運搬手段として利用すること。狭義には感染症における媒介者。
二次感染 secondary infection
ある病原体による感染がおこった後に、最初とは異なる病原体の感染を受けること。
ウオジラミ類(カリグス類) caligid
甲殻類カイアシ類の中で魚類の体表、鰓などに寄生する分類群。特に海産魚類の養殖場で甚大な被害を出す種も多い。
ウオジラミ類(カリグス)
カリムス chalimus
寄生性カイアシ類ウオジラミ類などの幼体で、額糸と呼ばれる構造で宿主に付着して寄生生活を送るステージ。
生活史 life clycle
生物の一生における生活の有り様。成長に伴って生活場所や食性が大きく変化する場合もある。寄生生物の場合、宿主を替えながら一生を送る場合もある。
中間宿主 intermediate host
寄生生物の幼生期と有性生殖期の宿主が異なる時の幼生期の宿主。
延長宿主 paratenic host
寄生生物が宿主で変態せず、終宿主に食物連鎖を介して到達するための宿主。中間宿主とは区別する。
終宿主 definitive host
寄生生物が有性生殖をするための宿主で、中間宿主と区別する。
内部寄生 endoparasite
寄生生物が宿主内の消化管や血管、筋肉などの体内に寄生する寄生生物。
外部寄生 ectoparasite
寄生生物が宿主の体表(魚であれば鰭、鰓、口腔も含まれる)などの体外に寄生する寄生生物。
吸虫類 trematode
扁形動物門に属する。主に脊椎動物に寄生する。複雑な生活史を持つ。経皮感染あるいは経口感染によって終宿主に達する。   [参考 扁形動物門関連図]
単生類 monogenean
扁形動物門に属する。すべて寄生性。フタゴムシなどが知られる。吸虫類や条虫類と異なり単純な生活史を持つ。養殖場で甚大な被害を出すことがある。   [参考 扁形動物門関連図]
条虫類 cestode
扁形動物門に属する。すべて内部寄生者で、脊椎動物の消化管に寄生する。サナダムシ類が知られる。
  [参考 扁形動物門関連図]
幼生生殖 paedogenesis
吸虫類の幼虫が無性生殖によって多数の幼虫を生じる現象。吸虫類のスポロシスト、レジアなどが幼生生殖を行う。
ヒル類 leech
環形動物門に属する。体の前後両端の体節は吸盤となる。陸水種、海産種は魚類、無脊椎動物に寄生して吸血する。陸上には捕食性種が知られる。
  [参考 環形動物門関連図]
線虫類 nematode
線形動物門。地球上で最も?栄している無脊椎動物。自由性生活性のものはデトリタス食、肉食と多様な食性を持つ。海洋生態系の有機物分解に重要な役割を持つ。また、様々な宿主に寄生性種が見られる。4回脱皮をして成体になる。
線形動物
宿主転換 host swithcing
寄生生物が宿主を乗り換えること。
共進化 coevolution
生物が他の生物と共生して進化していく過程で、それぞれの依存性が様々な程度で生じる現象。
r-K戦略 r-K strategy
生物の異なる繁殖戦略で、不安定な環境で子孫をできるだけ多く残すr戦略と安定した環境で適応能力の高い子孫を確実に残すK戦略がある。産卵形態においてはそれぞれ小卵多産と大卵少産で代表される。
淡水浴 reshwater bathing
養殖海産魚の外部寄生生物を淡水に短時間浸すことによって駆除する。天然海産魚も外部寄生生物を落とすために淡水域に侵入する。
超寄生 hyperarasitism
寄生生物が別な寄生生物すること。二枚貝に寄生するカクレガニにさらに寄生するフクロムシなどが知られる。
ヘテロクロニー(異時性) heterochrony
子孫の体細胞あるいは生殖細胞の成長のタイミングが祖先に比べて遅くなったりあるいは早くなったりすること。進化の原動力である。
プロジェネシス progenesis
生殖細胞の成長が体細胞のそれに比較して促進されて進化すること。寄生生物では一般的現象である。ネオテニーとは異なる。

プランクトン

近底層性プランクトン hyperbentic plankton
水底直上に生息するプランクトン。海洋ではアミ類、カイアシ類などが含まれる。
プランクトン plankton
水中を漂って生活する生物で、遊泳能力は持たないか高くない生物の総称。サイズは関係なく、バクテリアからエチゼンクラゲのような大型種まで含む。

プランクトンのサイズ
ベントス benthos
底生生物のこと。水域に生息する生物のうち底質に埋在するか底上で生活する生物の総称。
ネクトン nekton
水中を遊泳する生物で、魚類やイカ類が含まれる。プランクトンとネクトンの中間的な存在としてオキアミなどはマイクロネクトンと呼称される。
動物プランクトン zooplankton
プランクトンの中で従属性栄養のもの。カイアシ類、アミ類、ヤムシ類などの他、原生生物の繊毛虫類なども含まれる。
植物プランクトン phytoplankton
光合成を行うプランクトンのこと。ただし、光合成を行う一方で摂食を行うものや光合成能を失ったものもある。
ゼラチン質動物プランクトン gelatinous zooplankton
体がゼラチン状の柔らかい動物プランクトンでカイアシ類などの甲殻類プランクトンと対比される。クラゲ類、ヤムシ類、尾虫類の他、サルパ類、ウミタル類なども含まれる。
マイクロプランクトン
サイズが20~200?mのプランクトン。このサイズクラスに含まれるものとして、植物プランクトンではユーグレナ藻類・珪藻類など、動物プランクトンでは有孔虫類・放散虫類などが含まれる。
[参考 プランクトンのサイズ]
一時性プラクトン temporary plankton
生活史の中で「浮遊幼生期」をもつグループ。ベントスが分散のために幼生期を一時性プランクトンとして過ごす。
終生プランクトン holoplankton
生活史の内すべてをプランクトンとして過ごすグループ。カイアシ類、枝角類やワムシ類などがこのグループに属する。
ニューストン neuston
水面上または水面直下に生息する生物。アメンボやカツオノエボシ、魚卵、稚仔魚などの流れ藻やその周辺に生活するものも含められる。
カイアシ類 copepod
甲殻亜門カイアシ亜綱に属する動物の総称。陸水や海洋のプランクトンあるいはベントスとして、また陸上(土壌動物)として、あるいは動植物に寄生する。動物の中で最も広い生活域をもつグループの1つで、自由生活性種は硬骨魚類の稚仔魚やヒゲクジラ類の重要な餌となる。     [参考 節足動物門]

カイアシ類
Lucicutia sp.
Paraeuchaeta sp.
Sapphirina sp.
Pontella sp.
枝角類 cladoceran
甲殻亜門鰓脚綱に属する動物の総称。ミジンコ目ともいう。陸水に種類が多いが、海産種も若干知られる。体長は普通0.5~3mm程度だが、捕食性のロは10 mmにも達する。
有鐘繊毛虫 tintinnid
繊毛虫の仲間で自らが分泌した殻(ロリカ)の中に細胞が収まる。海洋のマクロプランクトンとして重要。
尾虫類 appendicularian
脊索動物門尾虫綱に属する動物プランクトン。自らの分泌物でハウスやフィルターを作り、微小なプランクトンをろ過摂食する。動物プランクトンとしてカイアシ類に次いで重要で、ある種の異体類の稚仔魚の重要な餌となっている。
ホヤのオタマジャクシ型幼生(スケール0.2mm)


オタマボヤ(スケール0.2mm)
ハウス house
尾虫類の分泌物で作られる生息場所兼摂餌器官。ハウスの入水場所が目詰まりすると破棄され、これがウナギ類のレプトケファルス幼生やカイアシ類の重要な餌になっている。特に貧栄養の外洋域では物質循環の要となっている。
アミ類 mysid
甲殻亜門フクロエビ上目に属する動物プランクトン。陸水、汽水、海洋に広く分布する近底層プランクトンであるが、浅い水域に生息するものは顕著な日周鉛直移動をする。また、魚類の重要な餌となっているほか、イサザアミなどは人間の食用となっている。
アミ類(スケール0.2mm)
オキアミ類 krill
甲殻亜門軟甲綱ホンエビ上目オキアミ目に属する動物プランクトン(マイクロネクトン)。大部分の種が外洋の表層~中深層を遊泳して生活する。人間の食用として重要であるが、魚類、海鳥、ヒゲクジラ類など餌料としても重要。
オキアミ類
ヤムシ類 chaetognath
毛顎動物門に属する動物。大部分は動物プランクトンであるが、一部は底生性。胴部に左右に広がるヒレを持ち、矢のように直進しながら遊泳する。カイアシ類などを捕食する。浮遊性種はイカナゴやカタクチイワシなどの沿岸魚類の主要な餌として知られている。
ヤムシ類
ウミタル類 doliolid
脊索動物門タリヤ綱に属するゼラチン質動物プランクトン。体は一般にビール樽状で筋肉を収縮させて水を排出することで移動しろ過摂食を行う。時に大量発生する。
鉢クラゲ scyphomedusa
刺胞動物門鉢虫綱に属するクラゲ。ミズクラゲ、エチゼンクラゲ、アカクラゲ、ビゼンクラゲなどが属する。しばしば大量発生を起こして社会問題(漁網を破損、水力発電所の発電停止)を引き起こす。
  [参考 刺胞動物門関連図]
根口クラゲ rhizostome medusa
鉢虫綱の中で口腕が根元で融合し、細かい口(吸口)が先端部分にある分類群。ビゼンクラゲ、ヒゼンクラゲ、エチゼンクラゲなどの食用種を含む他、サカサクラゲ、タコクラゲなどの鑑賞用種も含まれる。
  [参考 刺胞動物門関連図]
ヒドロクラゲ hydromedusa
刺胞動物門ヒドロ虫綱に属するクラゲ。小型のクラゲが多いが、カツオノエボシのように群体化したり、ハナガサクラゲのように大型化することもある。   [参考 刺胞動物門関連図]
立方クラゲ cubomedusa
刺胞動物門箱虫綱に属するクラゲ。その名の通り箱形の傘を持ち、刺胞動物の中でもアンドンクラゲ・ハブクラゲなどのように毒性が際立って強い種が多い。   [参考 刺胞動物門関連図]
ポリプ polyp
刺胞動物の無性生殖世代のこと。イソギンチャクのように底質に固着し触手を広げて餌動物を捕獲して成長する。様々な無性生殖(出芽・分裂・ポドシスト形成・ストロビレーション)によって個体数を増やす。
ミズクラゲのポリプ
エフィラ ephyra
鉢クラゲの生活史の有性生殖世代の初期の幼生。ポリプから遊離した直後の、親クラゲとは形態が異なる段階。
ミズクラゲのエフィラ
ストロビラ strobila
鉢クラゲ類の無性世代の無性生殖の一段階。皿を何枚か重ねたような形をしており、上から順番に剥がれるようにしてエフィラとなる。
ミズクラゲのストロビラ
ノープリウス幼生 nauplius larva
三対の頭部付属肢(第1触角、第2触角、大顎)を持つ甲殻類の初期幼生。カイアシ類、フジツボ類、オキアミ類、根鰓類で見られる。
フジツボ類のノープリウス幼生
コペポディッド幼体 copepodid
カイアシ類のノープリウス幼生が最終ステージが変態した後の幼体。通常、1期から6期までがあるが、最終ステージは成体。
ベリジャー幼生 veliger larva
軟体動物の浮遊幼生の総称。繊毛の生えた面盤という遊泳、摂食のための構造を持つ。
二枚貝のベリジャー幼生(スケール0.1mm)
巻貝のベリジャー幼生
トロコフォア幼生 ttochophore larva
軟体動物、環形動物に見られる初期幼生で、繊毛によって遊泳、摂餌を行う。
ネクトキータ幼生 nechtochaeta larva
環形動物のトロコフォア幼生が成長した幼生。成体と同じように体節構造や剛毛が見られる。
多毛類のネクトキータ幼生(スケール0.2mm)
ミュラー幼生 Müller's larva
ベントスである扁形動物の浮遊幼生。
ウズムシ類のミュラー幼生(スケール0.2mm)
アクチノトロカ幼生 actinotrocha larva
ベントスである触手(ホウキムシ)動物門の浮遊幼生。
キフォナウテス幼生 cyphonautes larva
ベントスである触手(コケムシ)動物門の浮遊幼生。
エキノプルテウス幼生 echinopluteus larva
ベントスである棘皮動物門(ウニ類)の浮遊幼生。
ドリオラリア幼生 doliolaria larva
ベントスである棘皮動物門(ナマコ類)の浮遊幼生。アウリクラリア幼生、ドリオラリア幼生、ペンタクチュラ幼生と成長・変態して成体に至る。
ナマコのアウイクラリア幼生(スケール0.1mm)
オフィオプルテウス幼生 ophiopluteus larva
ベントスである棘皮動物門(クモヒトデ類)の浮遊幼生。ウニ類のエキノプルテウス幼生に類似するが、骨格の構造などが異なる。
クモヒトデのオフィオプルテウス幼生
オタマジャクシ型幼生 appendicularian larvae
ベントスである脊索動物門ホヤの浮遊幼生。形態がオタマジャクシに似る。摂餌を行わず、着底してホヤ類に変態する。
ホヤのオタマジャクシ型幼生(スケール0.2mm)
オタマボヤ(スケール0.2mm)
ゾエア幼生 zoea larva
甲殻類の浮遊幼生。ノープリウス幼生より発達した段階で、胸肢で遊泳する幼生。以前には十脚類の幼生に限定して使用されていたが、最近では甲殻類全般に用いる。
カニのゾエア幼生(スケール0.2mm)
メガロパ幼生 megalopa larva
甲殻類の浮遊幼生。ゾエア幼生より発達した段階で、腹肢で遊泳する幼生。以前には十脚類の幼生に限定して使用されていたが、最近では甲殻類全般に用いる。
シマイシガニのメガロパ幼生(エタノール固定後)
キプリス幼生 cypris larva
鞘甲類(フジツボ類および近縁の分類群)の浮遊幼生。最終ノープリウス幼生の変態後の幼生で、二枚貝のような背甲を持ち、適当な基盤を化学感覚機器で探索して成体に変態する。寄生性種もこの幼生を持つ。
レプトケファルス幼生 leptocephalus larva
カライワシ上目(ウナギ類など)の魚類のヤナギの葉のような形態を持った幼生で、食性・生活形態は謎に包まれていたが、近年オタマボヤ類の放棄されたハウスなどを食べていることがわかった。
放散虫類 radiolarian
リザリアに属する海洋浮遊性原生生物で、仮足(軸足)、中心嚢(細胞質を膜状構造で内外に分離する)を持ち、二酸化珪酸か硫酸ストロンチムの骨格を持つアメーバ状生物。沿岸域に普通に見られ、中心嚢がないSticholoncheも放散虫類に属する。
放散虫類(スケール0.1mm)
フェオダリア類 phaeodarian
以前は放散虫類として扱われていたが、仮足が中心嚢の3つの孔から生じる点が特徴である。
有孔虫類 foramininiferan
原生生物リザリアに属するアメーバ状生物。主に海洋のプランクトンあるいはベントスとして生活する。炭酸カルシウムを主成分とした殻を持つため、海洋酸性化の影響が大きい。
有孔虫類
休眠卵 resing egg
カイアシ類、枝角類、ワムシ類などは、成体の生存に不適当な時期を受精卵として水底でやり過ごす。貧酸素やベントスの捕食にも耐える。好条件になっても一定期間休眠しないと孵化しないタイプと好条件が整えばすぐに孵化するタイプがある。
隔口類繊毛虫 apostome ciliate
原生生物・繊毛虫類の中で、特に甲殻類に共生する。宿主の脱皮時に残存する体液を摂取する種や捕食寄生性種まで存在する。近年、物質循環の点から注目されている。近年、オキアミ類の大量死を引き起こす種が確認された。
珪藻類 diatom
単細胞性の植物。淡水から海水まで、プランクトンあるいはベントスとして生活し、約2万種が広く分布し一次生産者として大きな役割を果たす。魚類や貝類の養殖業においても初期餌料として重要である。
渦鞭毛藻類 dinoflagellate
2本の鞭毛を持つ単細胞性の植物。繊毛虫類やマラリア類とアルベオラータという分類群に属する。自由生活性種は一次生産者として重要な一方、貝類に濃縮され貝毒の原因となる種や赤潮を起こす種もいる。また、寄生性種も存在し、魚卵、カイアシ類、尾虫類などのプランクトンを宿主とするものも多い。

海洋環境

赤潮 red tide
陸水、海域で植物プランクトンが大量発生し、植物プランクトンの色素によって水が着色する現象。魚類やノリ養殖業に甚大な被害を引き起こす場合もある。有毒種が赤潮を起こした場合、養殖魚の大量死、貝毒などが発生する。
青潮 blue tide
河川・湖・海域等で無(貧)酸素水塊が海流によって沿岸付近に湧昇し、水塊に含まれる硫化水素が水面で酸化し、乳青色に見える現象。魚介類が大量死する場合が多い。湾内の浚渫なども原因である。
シスト cyst
主に原生生物等の下等な生物が劣悪環境に晒されると形成する、耐久性の高い休眠期。環境が良好に戻るとシストから通常の生活型に戻る。
フロント(潮目) front
異なる水塊が接する海域。瀬戸内海では豊後水道に晩春に形成される潮汐フロントが有名で、この収斂海域に動植物プランクトンが濃縮され、魚類なども集まる(関サバ、関アジ)。
貧酸素水塊 oligoaerobic water mass
成層期に形成される溶存酸素が極めて少ない水塊。水底付近のバクテリアが有機物を分解する際の酸素消費が酸素供給を上回ることが原因で形成され、風や水流によって湧昇すれば青潮を起こす。
貝毒 shellfish poison
軟体動物、特に二枚貝が有毒植物プランクトン(渦鞭毛藻類など)を食することで体内に毒(オカダ酸、サキシトキシンなど)を蓄積する現象。人間がこの貝を食すと呼吸麻痺、下痢などの症状が起こる。
一次生産 primary production
生態系の中で基盤となる太陽エネルギーに依存した植物の光合成による生産。
日周鉛直移動 diel vertical migration
水生生物が日周期(日出、日没)に応じて水面付近と深場とを鉛直移動すること。動物プランクトンの場合、通常、昼間は深層に、夜間、表層に浮上する。原因としては捕食回避であるとされる。枝角類では逆のパターンも観察されている。渦鞭毛藻類などの植物プランクトンでも日周鉛直移動が観察されている。
糞粒 faecal pellet
水圏無脊椎動物では膜で覆われた糞をするものが多く存在し、これを糞粒と呼ぶ。特に海洋動物プランクトンの糞粒は深海への栄養供給において重要な役割を果たす。
タマキシゴカイの糞粒
タマキシゴカイ
懸濁物摂食 suspension feeding
動物が水中のプランクトンや懸濁粒子を粘液や付属肢を使って個別に摂取すること。ろ過摂食と混同されることがある。カイアシ類などは懸濁物摂食をする。
濾過摂食 filer feeding
動物がエラ、触手あるいは分泌物によって形成したネット状構造を用いて餌を濾し取るように摂取すること。二枚貝類、ゴカイ類、ホヤ類、尾虫類、ヒゲクジラ類がろ過接摂食をする。
表層 epiplegic zone
水面から大陸棚の縁辺部の水深(200m)の層。植物プランクトンが光合成を活発に行う層。
中層 mesoelagic zone
表層から1000mまでの層。太陽光は届くが、光合成には適当でない。また、貧酸素である。発光生物が生息する。
深層 bathypelagic zone
水深1000~4000mを漸深層、4000~6000mを深層、6000m以深を超深層と呼ぶ。太陽光は届かず、植物の生産はなく、表層で生産された物質起源のマリンスノーなどが動物の主要な栄養源である。
バラスト水 ballast water
大型船舶が荷を積んでいない時に船のバランスを保つため積み込む水。荷を積み込む際に捨てられる。この水の中にプランクトンが混入しており、港において廃棄されて侵略的外来種となるケースがある。
エルニーニョ El Niño
太平洋赤道域の中央部から南米のペルー沿岸にかけての広い海域で海面水温が平年に比べて高くなり、その状態が1年程度続く現象。
透明度 transparency
30cmの白色を海中に沈めていき見えなくなるまでの深さ。海水の清澄度の指標であり、古くから多くのデータがある。
有義波高 significant wave height
観測期間中の波高の中で、波高の高いほうから順に全体の1/3の個数の波(例えば20分間で120個の波が観測されれば波高の高い方の40個の波)を選び、これらの波高を平均したもの。人間が直感的に感じる波高に近く、天気予報などにも用いられている。
塩水楔(くさび) salt wedge
河口において底層部で海水が遡上する現象。海水の方が淡水よりも比重が高い為、表層には淡水、川底付近には塩分の高い海水の層が構成される。河口上流まで海水が遡上し、農業や灌漑に影響を与えることもある。
大潮 spring tide
潮差が大きくなる現象。月と太陽の起潮力が重なりあう位置にあるとき(新月、満月)に生じる。月と太陽の位置関係と太陽の起潮力が月の約半分であることが原因。
海陸風 land and sea breeze
陸地と海水の貯熱量の違いにより発生する風。夜は陸地が冷えるので陸から海に向かう風(陸風)、昼間は陸地が暖まりやすいので海から陸に向かう風(海風)が発生する。
地衡流" geostrophic current
圧力傾度力(海面の高さや密度差によって生じる)とコリオリ力がつり合った状態にある流れ。北半球ではコリオリ力は流れの進行方向の右向きに生じるため、圧力の高い方(海面の高い方)を右に見て流れる。代表的なものに黒潮がある。
有光層 photic zone
植物プランクトンが光合成可能な層。一般的に海表面の光が1%となる水深までといわれている。外洋では50-200m、沿岸では2-30mぐらい。
純基礎生産量 pure primary production
植物プランクトンの光合成量(基礎生産量、一次生産量)から、呼吸量を差し引いたもの。光合成によって生成される正味の有機物量を示す。
CTD Conductivity Temperature Depth profiler
海洋観測の現場で良く使われる測器で、電気伝導度・水温・水深を観測する装置。電気伝導度と水温、圧力から塩分を計算する。
CTD
海里 nautical mile
船舶や航空機の運行に利用される距離(長さ)の単位。地球の子午線(緯度)1分の距離である。1海里は約1.850 m である。
日潮不等 diurnal inequality
1日2回の干満潮の潮位が異なること。月の公転軌道(または地球の太陽に対する公転軌道)が赤道面と傾きをもっていることが主な原因。一日の内、高い方の満潮を高高潮、低い方の満潮を低高潮、高い方の干潮を高低潮、低い方の干潮を低低潮という。
補償深度 compensation depth
植物プランクトンの光合成による有機物の生産と呼吸による有機物の消費が等しくなる水深。
臨界深度 critical depth
海面から海底につながる一本の水柱で、光合成量(総生産)と呼吸量が等しくなる深度。水柱内の植物プランクトン群集の純生産量が0となる深度であり、臨界深度より浅いところでは総生産量は呼吸量より大きく、有機物が蓄えられることになる。
静振 seiche
湾外で発生した潮汐振動や風・津波などによる振動が、湾の持つ固有周期と共鳴し定常波ができることにより、振幅の大きな振動現象を引き起こすこと。(=セイシュ=副振動)
独立栄養生物 autotroph
無機物から有機物を作り出すことのできる生物のこと。すなわち、他の生物を摂取(捕食)することなく生きていける。植物など光合成をおこなう生物がその代表例である。
高潮線 high-water line
大潮にもっとも潮位が高くなる位置
低潮線 low-water line
大潮にもっとも潮位が低くなる位置
潮間帯 intertidal zone
高潮線と低潮線に挟まれた部分で,上部,中部,下部に細分できる。
潮下帯 sublittoral zone
低潮線より低い部分で,ほぼ常時海水中にある。
タイドプール tide pool
潮間帯で,干潮時に海水がたまり,池のようになったところ。

無脊椎動物

海綿動物門 Porifera
いわゆるカイメン類で、原的な動物で組織を有しない分類群。袋状の体の側面に多数の小孔、頂部に1つ大孔をもつ動物。単純な構造をしており、骨片と呼ばれる骨格系が分類形質として重要。
海綿動物 ダイダイイソカイメン
刺胞動物門 Cnidaria
原始的な体制をしているが、組織を有する二胚葉動物。クラゲ類、サンゴ類、イソギンチャク類を含む。刺胞と呼ばれる特有の細胞小器官をもち、生活史の中でふつう有性生殖世代のクラゲ期と無性生殖世代のポリプ期の2つの相をもつ。


刺胞動物門関連図
八放サンゴ類
アカサンゴ(美ら海水族館にて撮影)
六放サンゴ類
キクメイシモドキ
イソギンチャク類
 ニンジンイソギンチャク
鉢虫(鉢クラゲ)類
ミズクラゲ(京都水族館にて撮影)
根口クラゲ類
タコクラゲ(新江ノ島水族館にて撮影)
根口クラゲ類
ビゼンクラゲ(加茂水族館にて撮影)
ヒドロ虫(ヒドロクラゲ)類
ハナガサクラゲ(墨田水族館にて撮影)
ヒドロ虫(ヒドロクラゲ)類
クマクラゲのクラゲ期(有性生殖世代)
ヒドロ虫(ヒドロクラゲ)類
タマクラゲのポリプ期(無性生殖世代)
箱虫(箱クラゲ)類
アンドンクアラゲ
有櫛動物 Ctenophora
刺胞動物と混同されることがあるが、生活史にクラゲ期、ポリプ期などを持たず、刺胞を持たない三胚葉性動物。クシクラゲ類と呼ばれ、浮遊性種が多いが、一部は底生性。
クシクラゲ
扁形動物門 Platyhelmnithes
ウズムシ類、吸虫類、単生類、条虫類等を含む動物門。扁平な体構造と発達した筋肉・神経などの組織を持つが、体腔はない。寄生性の種が多く、複雑な生活史を持つもの場合がある。消化管は貫通しない。


扁形動物門関連図
紐形動物門 Nemertea
紐のような細長い体をもつ動物門。ほとんどが海産で、主に沿岸域でベントスとして生息するが、若干のものが外洋性浮遊性種である。扁形動物と類似した形態を持つが、消化管は貫通し、真体腔を持つ。
紐形動物 ミドリヒモムシ
軟体動物門 Mollusca
多板類、巻貝類、二枚貝類、ウミウシ類、イカ・タコ類を含む動物門。筋肉質の外套と呼ばれる組織と、外套から分泌される石灰質の貝殻をもつ(ごく一部殻をもたない種もいる)。二枚貝類を除き、歯舌を持つ。トロコフォア幼生を持つことから環形動物との類縁が指摘されている。食用種として重要なものが多い。


軟体動物門関連図
環形動物門 Annelida
ゴカイ類、ミミズ類、ヒル類等を含む動物門。一般に細長い体と多くの同規体節構造をもつ。かつては、ユムシ類、ホシムシ類は環形動物門と近縁な独立分類群として扱われていたが、近年の分子系統解析によって全て環形動物門に位置付けられた。ゴカイ類、ユムシ類、ホシムシ類はトロコフォア幼生を持つ。海産種は魚介類の餌生物として重要。


環形動物門関連図

参考:David E. K. Ferrier (2012)
節足動物門 Arthropoda
カブトガニ類、ミジンコ類、カイアシ類、オキアミ類、エビ類、昆虫類などを含む動物門。一般に固い外骨格をもち、体節構造が明瞭で機能分化した体節生を有する。体腔は血体腔。食用として有用種や天然餌料として重要なものを多く含む。一方、寄生性種も多く、養殖業に甚大な被害をもたらすものも知られる。


節足動物門関連図

参考:Omar Rota-Stabelli; Nicolas Lartillot; Herve' Philippe; Davide Pisani (2013)
触手動物門 Tentaculara
腕足類(シャミセンガイ類)、ホウキムシ類、コケムシ類を含む動物門。近年これらは独立門として扱われることが多い。口まわりに触手冠をもち、その外側に肛門がある。
腕足類 ミドリシャミセンガイ(エタノール固定後)
棘皮動物門 Echinodermata
ウミユリ類、ウニ類、ヒトデ類、ナマコ類を含む動物門。体表あるいは体内は骨片を有する。水管系を形成して管足で移動、摂食を行う。成体は海洋のベントスとして生活する。ウニ類、ナマコ類は重要な食用種を含む。


棘皮動物門関連図
脊索動物門 Chordata
ナメクジウオ類、ホヤ類、タリア類、脊椎動物を含む。少なくとも個体発生の一時期には体軸となる脊索が存在し、その背側に神経管がある動物門。


脊策動物門関連図
脱皮動物 Ecdysozoa
前口動物の1グループで、節足動物、線形動物等の脱皮をして成長する分類群。
冠輪動物 Lophotrochozoa
前口動物の1グループで、環形動物。軟体動物等を含む。トロコフォア幼生型の幼生を持ち、成長に脱皮を伴わない。
鋏角類 Chelicerata
節足動物の1つの分類群。カブトガニ類、サソリ類、クモ類、ダニ類等を含む。体は前体部と後体部から成り、独立した顎を持たず鋏角というハサミのような構造をもつ。   [参考 節足動物門]

鋏角類
カブトガニ
コガネグモ
甲殻類
節足動物の1つの分類群。頭部には第1触角、第2触角、大顎、第1小額、第2小額と呼ばれる付属肢を持つ。ミジンコ類、カイアシ類、フジツボ類、オキアミ類、エビ類、カニ類、シャコ類等を含む。体は頭部・胸部・腹部から成り、ノープリウス幼生あるいはゾエア幼生、メガロパ幼生で孵化するか直達発生をする
[参考 節足動物門]
軟甲類 Malacostraca
甲殻類の中で最も繁栄している分類群で、オキアミ類、十脚類などを含む。胸部には8対の二叉型付属肢を持ち、基部には鰓がある。
[参考 節足動物門]
アミ類(スケール0.2mm)
オキアミ類
口脚類 Stomatopoda
甲殻上綱口脚亜綱に属する。軟甲亜綱の十脚類と胸脚の構造が異なり、前方5対は口器として、後方3対は歩行用である。特に第2胸脚は大型化して鋏状の捕脚となる。食用として重要種を含む。捕脚の破壊力がバイオミミクリーの分野で注目されている。
根鰓類 Dendrobranchiata
甲殻上綱軟甲綱真軟甲亜綱十脚目に属する。クルマエビ類、サクラエビ類などの重要食用種を含む。卵は水中に放出される。鰓は根鰓。
    根鰓類 クルマエビ
抱卵類 Pleocyemata
甲殻上綱軟甲綱真軟甲亜綱十脚目に属する。根鰓類以外のエビ類とカニ類、ヤドカリ類を含む。メスは卵を抱えて保護する。鰓は歯鰓か毛鰓。
抱卵類
鰓脚類 Branchiopoda
甲殻上綱鰓脚亜綱に属する。ミジンコ類、アルテミア類などを含む。主に陸水に生息し、単為生殖と両性生殖を組み合わせた生活史を送る。魚類の天然餌料として重要な他、アルテミア類の休眠卵は栽培漁業に欠くことができない。   [参考 節足動物門]
鰓脚類
汚損動物 fouling organism
人工構造物に付着・固着してその機能を低下または停止させる動物。船底や導水管、漁具に付着するフジツボ類やイガイ類など。
汚損動物
侵略的外来種 invasive alien
外来種の中でも、生態系や生物多様性に甚大な影響を及ぼす、あるいは人間や有用生物に被害を与える種。

有用水産動物

アコヤガイ pearl oyster
二枚貝類の一種で、真珠をつくる母貝として知られる。
キチン・キトサン chitin/chithosan
キチンは甲殻類の殻などに含まれる多糖類で、キチンをアルカリ処理するとアセチル基が取り除かれキトサンとなる。自然治癒力を高める効果がある。
バイオミミクリー biomimicry
生物の優れた生理機能、形態などを模倣し工学、医学分野などに応用すること。
採苗 seed
養殖、放流のために有用水産動物の卵、幼生や有用海藻類の胞子を野外もしくは養殖場から採取すること。
養殖のためホタテガイにカキを付着させる
三倍体 triploid
本来倍数であるはずの染色体を奇数である3対に人為的に操作したもの。減数分裂がうまくいかず成熟しないが、体細胞は大型化するので、カキ養殖などでは薬品処理によって三倍体を作成して身入りをよくしている。
極体 polar body
卵母細胞が減数分裂をして卵子ができる過程で形成される3つの小さな細胞。核はあるが、細胞質をほとんど持たない。
付着生物 sessile organism
水中基盤に付着して生活する生物。フジツボ類、イガイ類、ゴカイ類、カイメン類、海藻類なども含む。船底、海洋建築物、漁網、食用海藻類に付着する場合は汚損動物と呼ばれる。
汚損動物
マボヤ Halocynthia roretzi
脊索動物門ホヤ綱に属する一種で北日本、韓国では食され、養殖もされている。

[参考 脊策動物門関連図]
生理活性物質 bioactive substance
生体に作用し、さまざまな生体反応を制御する化学物質。海綿動物やコケムシ動物から分離されることが多いが、実際には共生細菌類が生産していると考えられている。
八方サンゴ類 octocoral
刺胞動物門花虫綱の1つの分類群で、羽状突起のある8本の触手を備える。宝石サンゴはこの分類群に属する。

[参考 刺胞動物門関連図]

藻類

藻類 algae
酸素発生型光合成をする生物のうち,コケ,シダ,種子植物を除いた生物
海藻 seaweed
海に生育する藻類のうち,肉眼的な世代をもつ緑藻類,褐藻類,紅藻類の総称。海産の植物プランクトンは「藻類」であるが,「海藻類」ではない。
海草 seagrass
海に生育する種子植物(被子植物)。海藻とは異なり,花が咲き,種子をつくる。海藻と区別するため,「うみくさ」と読むことがある。
海草(うみくさ)
海産種子植物(陸上から海に生育場所を移した高等植物)
 
海藻(かいそう)
海中に生育する緑藻,褐藻,紅藻などの大型藻類の総称
クロロフィル chlorophyll
すべての光合成生物が持つ光合成色素。おおよそ黄緑~青緑色。
カロテノイド carotenoid
すべての光合成生物がもつ光合成色素。おおよそ黄色。動物の体色とその変化(婚姻色,保護色など)に関与している。動物には生合成能力がないので,餌料として取り込む。
フィコビリン phycobilin
ラン藻類,紅藻類などがもつ。おおよそ赤色と青色。アメフラシが放出する紫色の液・フ色素成分は餌料とする紅藻類由来と考えられる。
緑藻類 green algae
クロロフィルでは,クロロフィルa, クロロフィルbをもつ。緑藻類と同じ祖先をもつ生物から陸上植物(コケ,シダ,種子植物)は進化した。食用としては,ヒトエグサ,アオサ・アオノリ類,クビレズタ(海ぶどう),ミルなどが利用される。
褐藻類 brown algae
クロロフィルでは,クロロフィルa, クロロフィルc,カロテノイドとしてはフコキサンチンをもつ。フコキサンチンは藻体内で赤色に発色するため,体色が褐色となる。ただし,熱によりフコキサンチンに結合したタンパク質が変性すると赤色を失い,緑色の体色となる。食用としては,ワカメ,コンブ類,ヒジキなどがある。
紅藻類 red algae
クロロフィルではクロロフィルaのみをもち,フィコビリンをもつ。食用としては,アマノリ類,テングサ類,ツノマタ類,オゴノリ類がある。アマノリ類は,日本の養殖海藻のうち,最大の生産量があり,おにぎり,寿司などの海苔として加工される。
ラン藻類 blue-green algae
シアノバクテリアとも呼ばれる真正細菌。地球上で初めて酸素を発生した生物。食用としては淡水産のスイゼンジノリやスピルリナなどがある。
世代交代 alternation of generations
ある種で,有性生殖と無性生殖が交互に繰り返されること。体細胞の核相も変化する。有性生殖では,配偶体(n)が配偶子(n)を作り,接合(受精)する。無性生殖では,胞子体(2n)が,減数分裂して「胞子」(n)をつくる。
寒天 agar
紅藻類のテングサ類,オゴノリ類のもつ多糖類。熱水で抽出される。食用として,トコロテンなどの伝統食材やゼリー状の食材のほか,医薬品,介護食,化粧品などにも使われる。
藻場 seagrass bed/seaweed bed
海草のアマモ類,海藻の褐藻ホンダワラ類,アラメ・カジメ類,コンブ類および紅藻テングサ類などから形成される群落。群落のおもな構成種によって,アマモ場,ガラモ場,アラメ・カジメ類などと呼ばれる。いずれも魚介類資源の再生産など生物多様性の維持に重要な役割を果たす。
アマモ場 zostera bed
アマモ・コアマモ等の海草類が繁茂する海域の・アと。海草類は主に砂泥底に生育し、魚類の産卵場や餌場として重要。
アマモ場
ガラモ場 sargassum bed
ホンダワラ類等の褐藻の海藻類が繁茂する海域のこと。海藻類は主に岩礁帯に生育し、魚類の産卵場や餌場として重要。
ガラモ場

魚類


海砂 sea sand
海底や海岸の砂。近年コンクリート用の細骨材としての海砂の使用量が増加している。
海砂
海底湧水 sea bottom spring water
地下水が海底から湧き出す現象。または湧き出た水のこと。湧水は植物プランクトンに必要な栄養を含んでおり、近年魚類生産との関係が注目されている。
海底湧水
河口 estuary
河川が海や湖などに接する部分。一般に川の下流域は砂泥が堆積し、河口に中洲や干潟、湿地帯等を形成する。
魚類群集 fish biocoenosis
ある水域に生息する全ての魚類をひとつの集団とみなしたもの。
光合成 photosynthesis
植物等の細胞内にある葉緑体内での反応。二酸化炭素、水、栄養塩を光エネルギーによって酸素と有機物に変換する。
コドラート quadrat
ある野外地域における生物種の生息個体数を推定するために、一定の面積の正方形や長方形を設定し、その内部の生物を調査する手法。またはこの手法で設けられた一定面積のこと。(=方形枠)
コドラート
里海 Satoumi
人手が加わることにより生物生産性と生物多様性が高くなった沿岸海域。
食物網・食物連鎖 food chain, food web
群衆内の捕食‐被食関係において、栄養段階が低次の生物が高次の生物に捕食されることにより有機物がうけわたされていく過程を食物連鎖と呼ぶ。自然界では環境や成長に応じて生物種同士の捕食‐被食関係が網の目のように複雑なことから食物網とも呼ばれる。
食物連鎖 食物網
成育場 nursery area
生物が成長・育成するための場所。魚類ではアマモ場やガラモ場、二枚貝類では良質な砂泥底などがあげられる。
生態系サービス Ecosystem Services
豊かな生物多様性をもつ自然・生態系から得られる利益。供給サービス(食料・燃料・医薬品等)、調節サービス(大気・水質・土壌等)、生育・生育地サービス(生育環境等)、文化的サービス(レクリエーション・教育等)の4つに大別される。
発育段階 life stage
生物の発育過程の 区分で、とくに形態・生理・生態などが質的に異なるもの。魚類ではサイズや形態によって仔魚・稚魚・幼魚・未成熟魚・成魚と段階分けされている。
発育段階
稚魚 juvenile
魚類の発育段階で、孵化後骨格とヒレが発達しその特徴が親魚の形態に達したもの。
稚魚
底生魚類 demersal fishes
陸水、海域の底部に生息する魚類の総称。カレイ・ヒラメ・コチ・タラ・オニオコゼ・アンコウなど。(=底魚)
微細藻類 microalgae
水中に存在する顕微鏡サイズの藻類の総称。光合成細菌・ユーグレナ(ミドリムシ)・珪藻など。
微細藻類
捕食 predation
生物同士の相互関係のひとつで、ある種が別の種を食べること。食べる側を捕食者、食べられる側を被食者と呼ぶ。
メバル属魚類 Sebastes
スズキ目メバル科メバル属に属する魚類。これまでカサゴ目フサカサゴ科に含められていたが、カサゴ目の魚がスズキ目に移されるとともにメバル属はメバル科という新しい名称の分類群に含まれることとなった。
メバル
養殖 aquaculture
限られた一定の水面の中で水産物を育成し、利用できるサイズまで育て漁獲する生産方式。人工的に孵化から世代交代するまで育成ことを完全養殖と呼ぶ。
カキの養殖(カキいかだ)
耳石 otolith
魚の内耳にある平衡石。通常、扁平石、礫石、星状石の3つが1対ずつある。年齢や日齢の査定に用いられる。
ヒラメの耳石
成長曲線 growth curve
横軸(x軸)に時間、縦軸(y軸)に大きさをとって、大きさの時間的な変化を近似した曲線。
ノギス vernier caliper
物の厚さや球・穴の直径を正確に測るための、補助尺つきの、ものさし。
肥満度 Condition factor
栄養状態を表す指標の一つ。体重を全長あるいは体長の3乗で除したものがよく用いられる。
肝臓重量指数 Hepato somatic Index
栄養状態を表す指標の一つ。肝臓重量を体重で除したものが一般的。
麻酔薬 anesthetic
水中で個体を傷つけずに捕獲したい際に使用する(主な試薬:キナルジン1%希釈液)。また、実験室での作業(計測など)の際に、個体への肉体的精神的ストレスを軽減し,作業効率を高めるためにも使用する[試薬:FA100(オイゲノール) 0.2%希釈液]。
マーキング marking
個体識別のために施す(行動観察などの調査時)。魚類では色素の皮下注射,あるいはタグをつけることが多い。対象となる魚種の体色模様に安定した個体変異がある場合は,それを用いる(ナチュラルマーキング)。
魚類の野外観察調査 field observation into fish
観察者が調査対象とする魚種個体を追跡しながら行動記録する手法を採用することが多い。記録には耐水フィルム(ラボノートなど)を用い、鉛筆で書き込む。防水カメラを用いて動画や静止画像を記録することも多い。
シュノーケリング
シュノーケリング snorkeling
魚類の野外観察調査でよく用いられる潜水遊泳方法。水面遊泳のみならずジャックナイフなどの技術習得により水中潜行しての観察も可能となる。
       

バナースペース

竹原ステーション(水産実験所)

〒725-0024
広島県竹原市港町5-8-1

TEL 0846-24-6780
FAX 0846-23-0038