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TEL. 0846-24-6780

〒725-0024 広島県竹原市港町5−8−1

加藤研究室
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藻類は水圏生態系における一次生産者として,基礎生産の役割を果たしています。
なかでも,海藻類は,直接的には,食品あるいは医療品や美容用品の原料として人々の生活に密接に関わっています。
さらに,海の森である「藻場」をつくって,食物連鎖を支え,ほかの生物に棲み場所を提供するなど,生態系を維持する上で重要な生物です。
水産実験所「海藻研究室」では,海藻類の多様性や増養殖に関する教育研究活動を行っています。


  参考: 広島大学研究者ガイドブック

おもな研究テーマ
1.瀬戸内海の海藻類の生物多様性

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海藻類は,海に生育している大型藻類の総称で,緑藻類,褐藻類,紅藻類の3つのグループがあります。
海藻類の種数は,世界で約25,000種,日本では約1,500種,瀬戸内海では約300〜400種と言われています。
広島大学の水産実験所周辺では,これまでに約150種の分布を確認できました。瀬戸内海は,古くから人に利用されてきた海ですが,まだよく分かっていない種もあり,調査や研究を継続しています。

さらに,実験所周辺で見られる海藻類には,地域によっては食用されている種も多く見られます。こうした低利用資源の活用に向けた基礎的研究も行なっています。

  参考:瀬戸内海中西部の広島県竹原市周辺における海藻相と季節的消長

2.石灰藻サンゴモ類の生物多様性


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どこにでもいるサンゴモ類

サンゴモ類は,体の重量の約90%が炭酸カルシウムで占められる紅藻類で,「石灰藻」とも呼ばれます。「サンゴモ」の名前のとおり,刺胞動物のサンゴによく似た形の種もあります。北極・南極から熱帯,さらに,潮間帯下部から水深200mにも及ぶ海底にまで生育しており,現在までに,世界で約830種が報告されています。まさに海水とわずかな光さえあれば,どこにでも生育できる海藻と言えます。

サンゴモ類の生態系の中での役割

サンゴモ類は,サンゴ礁やrhodolith bedなどの石灰質の地形を形成する生物として,また,サンゴやウニなどの海産無脊椎動物の幼生の変態・着底を誘引する生物として,海洋生物の生育環境を整える役割を果たしています。その一方で,藻場が長期にわたって衰退する「磯焼け」の海域に繁茂し,磯焼けの持続要因の1つという見解もあります。

研究内容

サンゴモ類の約8割は,外形的な特徴に乏しい扁平な体(無節サンゴモ)であるため,分類が難しく,サンゴモ類を利用した研究は多くありませんでした。しかし,近年,地球温暖化の付随現象とされる海洋酸性化がサンゴモ類の成長を阻害することが懸念され,さまざまな環境条件下における生態的,生理的影響について研究が進められています。そこで,サンゴモ類の種多様性を明らかにするため,国内外の種について系統分類学的研究を行うとともに,おもな種について生育試験も行なっています。

参考:石灰藻サンゴモ類の多様性―生きた石になる海藻の分類と生態―

研究室のメンバー

准教授 加藤 亜記(Aki KATO , PhD , Associate Professor)
専門 藻類学,海藻類の系統分類・生理生態 ブログ
大学院 D2 Min Khant Kyaw
研究テーマ:日本産の無節サンゴモ主要種についての系統分類学的研究
学部 4年 木曽田 つぶら
研究テーマ:紅藻ホソバノトサカモドキ(スギノリ目)の胞子体および配偶体の成長特性の解明 
学部 4年 守岡 颯真
研究テーマ:紅藻シキンノリ(スギノリ目)のフェノロジーおよび室内培養による成長特性の解明

バナースペース

水産実験所

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