１．原生動物とは？

単細胞性真核動物を原生動物といいます。単細胞といっても、摂食したり、遊泳したり、浸透圧調節をするなど単細胞のままで多細胞の機能も果たしています。

鉛直的にも水平的にも分布は広く、世界中のいたるところに分布していますが、多くは熱帯・温帯域に生息しています。

ゾウリムシやアメーバはよく知られた原生動物の一つです。

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原核生物 原核生物は、染色体がほぼ裸のまま細胞内にあり、核膜がありません。大腸菌などの細菌類や藍藻類などがこれに含まれます	真核生物 これに対して、核膜をもつ、つまり核の構造をもつ生物を真核生物といいます。ヒトなど脊椎動物から植物、原生動物などほとんどの生き物がこれに含まれます

２．原生動物の分類

原生動物は菌類、植物、動物などのほかの真核生物の共通の祖先としての名残をとどめ、かつては動物界の一門とされていましたが、現在は原生動物の全てが後生動物につながるとは考えられていません。国際原生動物学会ではホイタッカーの5界説（Whittaker,1969）にしたがい原生動物を亜界と位置付け、レヴィンらの7門からなる分類体系（Levineetal.,1980）を受け入れています。しかし、この分類体系は便宜的なもので必ずしも系統を正しく反映したものではありません。このため近年の分子生物学や微細構造学の研究結果に基づいて、キャバリエースミスは（Cavalier-Smith,1998）原生動物を界として扱い2亜界13門からなる分類体系を提唱しました。しかし、これもまだ定説とするには早く、分類は定まっていません。現在では原生生物には、約６万5000種以上が記載されています。大部分は自由生活性で、約１万種弱が寄生性です。

国際原生動物学会ではホイタッカーの5界説(Whittaker,1969)にしたがい原生動物を亜界と位置付け、レヴィンらの7門からなる分類体系(Levine et al.,1980)を受け入れています。しかし、この分類体系は便宜的なもので必ずしも系統を正しく反映したものではありません。

Subkingdom	Protista 原生生物亜界
Phylum	Sarcomastigophora 有毛根足虫門(肉質鞭毛虫類) Labyrinthomorpha ラビリンツラ門 Apicomplexa アピコンプレックス門 Microspora 微胞子虫門 Ascetospora アセトスポラ門 Myxozoa ミクソゾア門 Ciliophora 繊毛虫門>

このためキャバリエースミスは（Cavalier-Smith,1998）植物界・菌界・動物界に加え真核生物の中にクロミスタ界と原生動物界を認めた6界説を提唱しました。近年の分子生物学や微細構造学の研究結果、従来原生動物として扱われていたラビリンツラ類はクロミスタ、ミクソゾアは後生動物の仲間であることが明らかになりました。しかし、これもまだ定説とするには早く、分類は定まっていません。

Kingdom	Protista 原生生物界
Subkingdom	Archezoa アーケゾア亜界
Phylum	Metamonada メタモナーダ門 Trichozoa トリコゾア門
Subkingdom	Neozoa ネオゾア亜界
Infurakingdom	Sarcomastigota 肉質鞭毛虫類
Phylum	Nemonada ネオモナーダ門 Cercozoa アメーバ鞭毛虫門 Foraminifera 有孔虫門 Amoebozoa アメーバ動物門
Infurakingdom	Discicristata ディシクリスタータ下界
Phylum	Percolozoa ペルコロモナス動物門 Euglenozoa ユーグレナ動物門
Infurakingdom	Discicristata ディシクリスタータ下界
Phylum	Percolozoa ペルコロモナス動物門 Percolozoa ペルコロモナス動物門
Infurakingdom	Alveolata アルベオラータ下界
Phylum	Dinozoa 渦鞭毛動物門 Sporozoa 胞子虫門 Ciliophora 繊毛虫門
Infurakingdom	Actinopoda 軸足虫下界
Phylum	Heljozoa 太陽虫門 Radiozoa 放散虫門

　

３．人とのかかわり

＜良い点＞	＜悪い点＞
ウシ・ヤギ・ヒツジなど消化管内に住む繊毛虫は彼らの食物繊維の分解をになっています。汚水・廃水処理において、有機物は主にバクテリアによって分解されますが、原生動物は一部の有機物と増殖したバクテリアを分解するのに役立っています。	原生動物の一つであるマラリア原虫は人の最大の死因となる病気の一つマラリアを引き起こします。このほかに30種あまりの寄生性の原生動物が人の病気として関わっています。植物性鞭毛虫は、赤潮の代表的な原因生物の一つであり、水産物を毒化させるなどの被害を出します。

　

• カイアシ類と共生する原生動物
• カイアシ類に寄生する繊毛虫 　　　　　
• カイアシ類に寄生する鞭毛虫
• カイアシ類に寄生する珪藻

水産実験所

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