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演習に関する学術用語の解説
(無脊椎動物編)
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竹原ステーションで実施される演習に関する学術用語の解説(他大学・広大の学部生向け)を 「全体編」 「共生編」 「病気編」 「プランクトン編」 「海洋環境編」 「無脊椎動物編」 「有用水産動物編」 「海藻編」 「魚類編」 に纏めました。予習、復習に活用ください。
詳細は、各用語をクリックしてください。表中の図は、クリックで拡大されます。

無脊椎動物
海綿動物門 刺胞動物門 有櫛動物 扁形動物門
紐形動物門 軟体動物門 環形動物門 節足動物門
触手動物門 棘皮動物門 脊索動物門 脱皮動物 冠輪動物
鋏角類 甲殻類 軟甲類 口脚類 根鰓類 抱卵類 鰓脚類 汚損動物
侵略的外来種 棲管 緩歩動物門 クリプトビオシス
カブトガニ カブトガニウズムシ
○引用文献
・日本動物大百科 第7巻無脊椎動物 日高敏隆(監修)(1997)平凡社
・基礎水産動物学 岩井保(1990) 恒星社厚生閣
・環境省HP(自然環境局)http://www.env.go.jp/nature/index.html(2017年5月閲覧)
・生物物理44(4) 奥田隆他(2004) 日本生物物理学会

無脊椎動物

海綿動物門 Porifera
いわゆるカイメン類で、原的な動物で組織を有しない分類群。袋状の体の側面に多数の小孔、頂部に1つ大孔をもつ動物。単純な構造をしており、骨片と呼ばれる骨格系が分類形質として重要。
海綿動物 ダイダイイソカイメン
刺胞動物門 Cnidaria
原始的な体制をしているが、組織を有する二胚葉動物。クラゲ類、サンゴ類、イソギンチャク類を含む。刺胞と呼ばれる特有の細胞小器官をもち、生活史の中でふつう有性生殖世代のクラゲ期と無性生殖世代のポリプ期の2つの相をもつ。


刺胞動物門関連図
八放サンゴ類
アカサンゴ(美ら海水族館にて撮影)
六放サンゴ類
キクメイシモドキ
イソギンチャク類
 ニンジンイソギンチャク
鉢虫(鉢クラゲ)類
ミズクラゲ(京都水族館にて撮影)
根口クラゲ類
タコクラゲ(新江ノ島水族館にて撮影)
根口クラゲ類
ビゼンクラゲ(加茂水族館にて撮影)
ヒドロ虫(ヒドロクラゲ)類
ハナガサクラゲ(墨田水族館にて撮影)
ヒドロ虫(ヒドロクラゲ)類
クマクラゲのクラゲ期(有性生殖世代)
ヒドロ虫(ヒドロクラゲ)類
タマクラゲのポリプ期(無性生殖世代)
箱虫(箱クラゲ)類
アンドンクアラゲ
有櫛動物 Ctenophora
刺胞動物と混同されることがあるが、生活史にクラゲ期、ポリプ期などを持たず、刺胞を持たない三胚葉性動物。クシクラゲ類と呼ばれ、浮遊性種が多いが、一部は底生性。
クシクラゲ
扁形動物門 Platyhelmnithes
ウズムシ類、吸虫類、単生類、条虫類等を含む動物門。扁平な体構造と発達した筋肉・神経などの組織を持つが、体腔はない。寄生性の種が多く、複雑な生活史を持つもの場合がある。消化管は貫通しない。


扁形動物門関連図
紐形動物門 Nemertea
紐のような細長い体をもつ動物門。ほとんどが海産で、主に沿岸域でベントスとして生息するが、若干のものが外洋性浮遊性種である。扁形動物と類似した形態を持つが、消化管は貫通し、真体腔を持つ。
紐形動物 ミドリヒモムシ
軟体動物門 Mollusca
多板類、巻貝類、二枚貝類、ウミウシ類、イカ・タコ類を含む動物門。筋肉質の外套と呼ばれる組織と、外套から分泌される石灰質の貝殻をもつ(ごく一部殻をもたない種もいる)。二枚貝類を除き、歯舌を持つ。トロコフォア幼生を持つことから環形動物との類縁が指摘されている。食用種として重要なものが多い。


軟体動物門関連図
環形動物門 Annelida
ゴカイ類、ミミズ類、ヒル類等を含む動物門。一般に細長い体と多くの同規体節構造をもつ。かつては、ユムシ類、ホシムシ類は環形動物門と近縁な独立分類群として扱われていたが、近年の分子系統解析によって全て環形動物門に位置付けられた。ゴカイ類、ユムシ類、ホシムシ類はトロコフォア幼生を持つ。海産種は魚介類の餌生物として重要。


環形動物門関連図

参考:David E. K. Ferrier (2012)
節足動物門 Arthropoda
カブトガニ類、ミジンコ類、カイアシ類、オキアミ類、エビ類、昆虫類などを含む動物門。一般に固い外骨格をもち、体節構造が明瞭で機能分化した体節生を有する。体腔は血体腔。食用として有用種や天然餌料として重要なものを多く含む。一方、寄生性種も多く、養殖業に甚大な被害をもたらすものも知られる。


節足動物門関連図

参考:Omar Rota-Stabelli; Nicolas Lartillot; Herve' Philippe; Davide Pisani (2013)
触手動物門 Tentaculara
腕足類(シャミセンガイ類)、ホウキムシ類、コケムシ類を含む動物門。近年これらは独立門として扱われることが多い。口まわりに触手冠をもち、その外側に肛門がある。
腕足類 ミドリシャミセンガイ(エタノール固定後)
棘皮動物門 Echinodermata
ウミユリ類、ウニ類、ヒトデ類、ナマコ類を含む動物門。体表あるいは体内は骨片を有する。水管系を形成して管足で移動、摂食を行う。成体は海洋のベントスとして生活する。ウニ類、ナマコ類は重要な食用種を含む。


棘皮動物門関連図
脊索動物門 Chordata
ナメクジウオ類、ホヤ類、タリア類、脊椎動物を含む。少なくとも個体発生の一時期には体軸となる脊索が存在し、その背側に神経管がある動物門。


脊策動物門関連図
脱皮動物 Ecdysozoa
前口動物の1グループで、節足動物、線形動物等の脱皮をして成長する分類群。
冠輪動物 Lophotrochozoa
前口動物の1グループで、環形動物。軟体動物等を含む。トロコフォア幼生型の幼生を持ち、成長に脱皮を伴わない。
鋏角類 Chelicerata
節足動物の1つの分類群。カブトガニ類、サソリ類、クモ類、ダニ類等を含む。体は前体部と後体部から成り、独立した顎を持たず鋏角というハサミのような構造をもつ。   [参考 節足動物門]

鋏角類
カブトガニ
コガネグモ
甲殻類
節足動物の1つの分類群。頭部には第1触角、第2触角、大顎、第1小額、第2小額と呼ばれる付属肢を持つ。ミジンコ類、カイアシ類、フジツボ類、オキアミ類、エビ類、カニ類、シャコ類等を含む。体は頭部・胸部・腹部から成り、ノープリウス幼生あるいはゾエア幼生、メガロパ幼生で孵化するか直達発生をする
[参考 節足動物門]
軟甲類 Malacostraca
甲殻類の中で最も繁栄している分類群で、オキアミ類、十脚類などを含む。胸部には8対の二叉型付属肢を持ち、基部には鰓がある。
[参考 節足動物門]
アミ類(スケール0.2mm)
オキアミ類
口脚類 Stomatopoda
甲殻上綱口脚亜綱に属する。軟甲亜綱の十脚類と胸脚の構造が異なり、前方5対は口器として、後方3対は歩行用である。特に第2胸脚は大型化して鋏状の捕脚となる。食用として重要種を含む。捕脚の破壊力がバイオミミクリーの分野で注目されている。
根鰓類 Dendrobranchiata
甲殻上綱軟甲綱真軟甲亜綱十脚目に属する。クルマエビ類、サクラエビ類などの重要食用種を含む。卵は水中に放出される。鰓は根鰓。
    根鰓類 クルマエビ
抱卵類 Pleocyemata
甲殻上綱軟甲綱真軟甲亜綱十脚目に属する。根鰓類以外のエビ類とカニ類、ヤドカリ類を含む。メスは卵を抱えて保護する。鰓は歯鰓か毛鰓。
抱卵類
鰓脚類 Branchiopoda
甲殻上綱鰓脚亜綱に属する。ミジンコ類、アルテミア類などを含む。主に陸水に生息し、単為生殖と両性生殖を組み合わせた生活史を送る。魚類の天然餌料として重要な他、アルテミア類の休眠卵は栽培漁業に欠くことができない。   [参考 節足動物門]
鰓脚類
汚損動物 fouling organism
人工構造物に付着・固着してその機能を低下または停止させる動物。船底や導水管、漁具に付着するフジツボ類やイガイ類など。
汚損動物
侵略的外来種 invasive alien
外来種の中でも、生態系や生物多様性に甚大な影響を及ぼす、あるいは人間や有用生物に被害を与える種。
棲管 tube
生物が棲むために形成した巣穴。底質に穿孔したもの、粘液などの分泌物と泥を混ぜて固めたもの、石灰質の固いものなど、その様式は様々である。
緩歩動物門 Tardigrada
クマムシと呼ばれる動物が属するグループ。体長0.1mm以下で、体節構造は不明確だが、基本的には頭部1環節、胴部4環節で構成され、胴部は1節1対の爪を有する。地球上のあらゆる場所に生息する。乾眠(≒クリプトビオシス)によって極度の乾燥・温度・圧力・放射能に対する耐久性をもつ種もいる。
クリプトビオシス cryptobiosis
極度の乾燥等に耐えるための、無代謝の活動停止状態のこと。発生の初期段階のみでこの現象が起こる生物(被子植物の種子、菌類の胞子、アルテミアの休眠卵等)と、環境に対応して可逆的にクリプトビオシスを行う生物(クマムシ、ワムシ、ネムリユスリカ等)の2つに大別することができる。
カブトガニ Tachypleus tridentatus
節足動物門鋏角類に属し、体が前体部と後体部に分かれているという特徴を持つ。約2億年前からほとんどその姿が変わらないため「生きた化石」と呼ばれている。日本では瀬戸内海西部、九州北部の干潟に生息しており、環境省から絶滅危惧T類に選定されている。
カブトガニウズムシ Ectoplana limuli
カブトガニだけに外部寄生するコガタウミウズムシ科の扁形動物。カブトガニと同様に環境省絶滅危惧T類に選定されている。
       

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