アミの育房内に寄生するカイアシ類は海外では寄生率が50%を超える例があります。また寄生したカイアシ類はアミの卵を食べてしまうことから、メスのアミの半分が子どもを残すことができないことになり、個体群に非常に大きな影響を与えることになります。アミの個体数が減少していくことは、アミを餌としている魚にも影響を与えていることにもなります。ここでは、本邦初となるアミ寄生性カイアシ類の調査結果の一部を紹介しています。
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図6は、アミの育房に入っていた卵嚢を取り出して拡大した写真です。透明な袋に入った粒1つ1つがこのカイアシ類の卵です。このカイアシ類はノープリウス幼生期を卵の中で過ごすため、成長の進んだ卵ではノープリウス幼生の個体を卵の中に見ることができます。また、カイアシ類の卵嚢はアミの卵の大きさに近く、アミがまるで自分の卵を持っているかのように擬態し、排除されないようにしていると考えられています。 |
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図7は卵から孵化した直後のコペポディッドの電子顕微鏡写真です。生きているときは、四方八方に動き回っているのが観察されました。また、ノープリウス期を卵の中で過ごし、コペポディッドで孵化するため、すぐに次の宿主となるアミを発達した脚で探し回ることができます。しかし、宿主にどのように寄生するのか、性決定はどのようになっているのかなど、まだ不明な点が多く残されています。 このカイアシ類は、未記載種です。背面にある突起が特徴的ですが、これは、どのような役割があるのかわかっていません。 アミの育房を求める寄生の旅は続く・・・ |
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