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カイアシ類の進化
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カイアシ類は小型で、体が脆弱なため化石が残りにくいと言われていますが、1億2000万〜1億1000万年前の中生代白亜紀前期の地層から、魚類の鰓に寄生している化石が見つかっています。この化石がカイアシ類の最古の化石ですが、カイアシ類が属する顎脚類は、すでにカンブリア紀に多様な発展をしたことが判り、さらに古い時代まで起源が遡れる可能性が指摘されています。また、寄生性種は自由生活性の祖先から派生したといわれており、自由生活性種の祖先は、元来沿岸底生性であり、外洋性や浮遊性種は、カイアシ類の歴史の中では新参者であると考えられています。海洋の濁度や酸素濃度などの地史的変化に従ってカイアシ類の生息域はダイナミックに拡大・縮小、転換しています。陸水性種は、海洋性の祖先から派生したと考えられていますが、系統的に全く異なる幾つかの群が存在しており、パンゲア分裂以前〜第四紀にかけて少なくとも22回は独立して陸水へ進出したと考えられています。さらに陸水から再度、海洋へ回帰したと考えられる分類群も存在しています。

 

図9. 地質時代


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カイアシ類の進化については様々な研究が行われており、カイアシ類の食性は、粒子食者から中間段階を派生しつつ、最終的に肉食者が派生したと推定されています。また、浮遊性種の種分化速度は、様々な根拠から1万〜100万年程度と推定されていますが、6,000〜1万年間ほど相互に完全に隔離されている個体群間でも、ほとんど外部形態差が見られないという研究結果もあります。


図10.様々なカイアシ類

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